弊社代表・野村が個人所有しているクルマはTOYOTAハイエース。野村がやってるバンド(万引チョコレィト)の機材車として活躍中なのだ。
見た目はわざと年季入っちゃってるぞ感を醸し出すために、エイジング塗装を施しているぞ(自分で)。
が、しかし買ったのは2018年。
当時モデルチェンジしたばかりの「ハイエース・4型後期」とか言われてるヤツのディーゼル車。
(このモデルを5型という人もいるようだけど、たぶん4型後期という言い方が一般的なような気がする)
なので、元々はピカピカだった。
社有車ではないが、このクルマの名前は「係長」と名付けた。

行きつけの美容室サロン・ド・カーシュカーシュさんの前で。
この黒光りした係長も良かったんだけど、昔からギトギトにボロっぽくしたバンドの機材車みたいなのに憧れてたので、思い切って自分で全塗装&サビサビ風のエイジング塗装を施してみたのだ。
ハイエースの自家塗装《ステンシル》
キレイに仕上げるならスプレーで塗装するべきだと思うけど、今回の場合は汚らしいくらいの仕上がりのほうが好ましい。
ということで、ラバーペイントのつや消しブラックをハケ塗りで塗っていくことにした。
とは言え、最初のうちは、まだ踏ん切りがつかず、ボディ全体はノーマルのままで、ボンネットにマットブラックのフィルムを貼り、その上からバンドのロゴを型抜きしたステンシルシートをあてがってスプレーするという、中途半端なマネをしていた。

まずはステンシルシートをあてがう。

サクッとスプレーする。

こんな感じに。
とまぁ、この辺までは難なく進んだが、結局このステンシルのロゴは、あとから真ん中に移動させた。
ハイエースの自家塗装《マスキング》
汚くても良いとは言っても、やはり塗るべきでない箇所にまで塗料が付着すると後々、面倒なことになるので、一応、マスキングはシッカリやることにした(とは言え、自己流)。

まずはバンパー&グリル付近から。

後部の窓ガラスもきちんと養生。

トヨタのエンブレムは外しちまおう。

このブルーのフィルムは意外と使いにくかった。
ただのつや消し黒の時代
実際にハケ塗りしている最中の写真は残ってないです。
暑すぎて、写真を撮ってる余裕がなかったです。特に屋根。
なんだかんだ言って、やはりハイエースを全面塗装するとなると、結構な面積なので、細かいことを気にせず、がんがんダレまくりながらのハケ塗りでも、なかなかはかどらない。
とは言え、プロの塗装屋さんみたいに何日もかけてジックリやってる暇はないので、なんとかマスキングしたその日のうちに「塗り」の工程も終わらせたかったので、せっせと作業して、夕暮れ近くになって、一応、全体的に塗りきった。
細かい部分で塗り残しがあると思うけど、そういう塗り残しや、あとから塗料が剥がれてしまった部分なども、チョコチョコとハケで微修正する。
そうして、あとから重ね塗りした部分の塗料が垂れて、塗面がボコボコになるのもオツなものだ。

この段階ではまだまだ中途ハンパ感がある。
ハイエースを世紀末車にする《鉄板風フィルム》
ただ色を塗っただけではツマランと思い、以前、YouTubeで見かけた「世紀末風のクルマ」というメチャクチャ自由なカスタマイズ手法を取り入れてみることにする。
今回はボディ両サイドとボンネットに鉄板風フィルムを貼ってみる。
バスの階段とかに使われてそうな模様の鉄板風のパターンになっているラッピングシートをアマゾンで購入。そして、近所の百均で購入してきたボタンをボンドで貼り付けて、「雑にボルト止めした感」を演出してみる。

鉄板フィルムを貼る位置は感性に委ねるのみ。

左右非対称のカタチで貼るのがオツではないだろうか。

この時点でステンシルのロゴは中央に移動済み。

フロントの鉄板も黒に塗る。
ボディ右側を自家製ステンシルで攻める
ラバーペイントのマットブラックを全体的に塗り、要所に鉄板風フィルムを貼ることで、だいぶイイ感じになってきた。
しかし、ここからが本番である。
ハイエースのボディサイドは「さぁココになにか書いてください」と言わんばかりの平面が用意されている。
実際に、その誘いに乗って、ボディ横に会社ロゴなどを描いている会社さんや幼稚園バスなんかもよく見かける。
野村の場合はココにバンド名を書こうと思うが、オリジナル書体のロゴは前後のパネルにステンシルで書いているので、ここはチョット違う感じにしてみよう。
なにか、気の利いたフォントはないものかとネット検索したところ、パンクバンド「CRASS」風のフォントというのを発見。
ふ~む。よくわからんが、そう言われてみれば、CRASSっぽい感じもする。
まぁ、なんにせよ、なんかカッコイイので気に入った。
このフォントを係長(ハイエース)のボディ右サイドにステンシルで吹き付けることにする。
ボディ全体の寸法や、サイドパネル寸法などを入念に検討した末、このくらいが良かろうというサイズを自分なりに導き出す。
これを自家製ステンシルで表現するには、A3の紙が4枚ほど必要。ダイソーに駆け込み、必要そうな材料を揃える。
そして、我社に眠っているA3対応のカラープリンタの出番である。今まで実際にA3サイズの紙を印刷したことはなかったが、ついに眠れるカラリオが火を吹いた。
んで、カラリオに火を吹かせて出てきた印刷物に対し、カッターで入念に切り抜いていく。

たいへん集中力のいる作業だ。

実は結構ジグザグしてるCRASS風フォント。

本番は1発勝負。

まぁなんとか上手くいったかな?
ボディ左側に耐水ポスターを貼る。
さて、ボディ左側は、また別のドレスアップだ。
万引チョコレィトのロゴマークはモヒカン顔のイラストのバージョンもあるが、こっちはカラー作品で、文字の部分とかを塗装で表現するのは素人の野村には手に負えない作業だ。
ということで、色々考えた末、耐水印刷された屋外用のポスターを使うことを思いついた。
株式会社ラックスさんが運営するHotdogger.jpというサイトで、そういったものをワンオフで作ってくれる。

これが入稿用の原稿。
注文したのは「大判ポスター印刷(カスタムサイズ)」というもので、実質0.9平米の印刷物。
なんと、3,300円(税込み)。
それに送料が900円。合計4200円と、思いの外、安かったのも嬉しい。
貼り付けた感をゴマカス苦肉の策!
こいつをボディ左側に貼るが、どうしても「あとから貼った感」が拭えないので、いっそのこと「貼ってる」ことをアピールする方向でドレスアップすることにした。
ポスターの素材はビニールではないんだろうけど、なんかビニールっぽい素材で、とにかく紙ではない。
これなら水で絵が流れるということはなさそうだが、念の為、表面につや消しクリアーをスプレーする。
防水ポスターの裏面に両面テープを全面に貼って、ボディに貼り付ける。

マットクリアーを吹くのでマスキングする。
ポスターとボディの境目にコーキング材を適当に塗って、「なんとなく溶接しました感」を演出。
アマゾンでリベット留め風のシールを購入して、防水ポスターの周囲に貼り付けて、「取ってつけた感」を演出。あまったリベット風シールはボンネットに貼り付けた。

安くて使えるHotdoggerの大判ポスター。
傍観者にはジュースを奢らせる。
作業中、バンドメンバーのカワチャンが買ったばかりのハーレーを見せびらかしに来た。
丁度いいところに来たとばかりに、ジュースを奢ってもらう。

ハーレーを見せびらかしにきたカワちゃん。
ハイエースの錆び塗装に使ったと塗料は?
いよいよ仕上げは錆び風のエイジング塗装だ。
調べてみると、複数の会社から錆び塗料なるものが出ているが、今回、野村が選んだのは「ターナー」という会社の「ラストメディウム(錆風)セット MK10002C」というもの。
赤錆と黒錆を表現する2種類の塗料のセットで約1400円ほどと、まぁ、そんなに高くはないと思う。
(っていうか、安さで選んだので、他社製品はもっと高かった)
スポンジに適量をとり、ポンポン叩くようにして、錆び錆び塗料を置いていく。時には擦りつけてみるのも良いかもしれない。

いかにも錆びそうな場所を想像するのが大事だ。

可動部分がこすれて錆びてきた感を演出。

メッキ部分の輝きがアンバランスな感じがするね。

やりすぎ注意。やらなすぎ注意。

ボンネット上にはリベットシール。
完成★そしてエイジング審査を受ける
ひとまず思いつく限りのエイジング処理を施して、地元の友達がやってる、行きつけのお弁当屋さんに行くのだ。
この弁当屋をやってる友人は、かなり気合いの入ったハーレーのチョッパーに乗ってる。
わざと汚らしい方向にドレスアップした、いわゆるラットバイクという仕様のナックルヘッドだ。

ナックルヘッドのラットバイク。
彼の審美眼に照らして、我がハイエースのエイジング塗装の出来栄えを審査してもらう。とりあえず及第点はもらえたようだ。

まごころ弁当で仕上がりを審査される。
こうして仕上がった野村のハイエース(4型後期)は係長からスーパー係長へと昇進することとなったのだ。

そして、愉快な仲間たちとツアーに行く。